広島市の伊藤姫花(いとう ひめか)さんは、小学5年生の彩花のクラスメイト役で出演しました。姫花さんは、オーディション合格者の中では最年少の小学校3年生、合格当時は8歳でした。
 お母さんの智美さん、お姉さんの桃香さんとご一緒にお話を伺いました。
 「アナウンサーになりたい」という夢を持っている姫花さんは、テレビに出たり、映画に出たりということにとても興味がありました。新聞でオーディションの記事を見て、早速応募したそう。お母さんも「何でも経験だと思ってすぐに応募しました。待ちきれなくて、応募用紙じゃなく市販の履歴書で送ったんですよ」と笑って話されました。
 オーディション当日も全く緊張しなかったという姫花さん。普段の自分が十分に出せたから、合格する自信はかなりあったのだとか。それでも合格の知らせを聞くと、お母さんと抱き合って喜んだそうです。その後、撮影が始まるまでは台本の中でクラスの子どもたちが出るシーンのページをしっかり読んで、自分なりに役づくりをしていきました。
 そして夏、いよいよ撮影が始まりました。
 姫花さんの一番の思い出は、8月8日、バスに乗って熊野神社や大トチの森へ行った日。この日は姫花さんの9歳の誕生日でした。助監督の武さんの計らいで、クラスメイトみんなに「おめでとうコール」をしてもらいました。とってもステキな誕生日になりました。また、担任の島本先生役の松岡俊介さんに「絵が上手だね」と言われたことも嬉しい思い出になりました。そして、「スイカやトマトがすごくおいしかった」と地元の方の差し入れも心に残っているそうです。
「映画の現場はとても緊張感にあふれていました。教室のシーンではセミの鳴き声ひとつにもすごく注意を払われて・・・。そんな厳しい雰囲気の中でも、スタッフの方はとても優しく対応してくださいました」とお母さんの智美さん。実質は三日間の撮影でしたが、いろんな経験ができた中身の濃い毎日だったそうです。
 もうすぐ映画が公開になりますが・・・。「たくさん自分が映っていたらいいな。友達みんなにも『見に来てね』って言っています」(姫花さん)。
 体操クラブに入っていて、「普段からどこでも側転してしまうほど(智美さん談)」身体を動かすことがとっても大好きな姫花さん。お話しを伺っている時もそんな元気の良さが表情や言葉にとてもよく表れていました。
 オーディションの時から親子共々しっかりと友達を作っていた伊藤さん。今でもメールなどを通じて情報交換などをしているそうです。写真や記事などを集めたアルバムには、お母さんの手書きの日記も添えられていていました。「『ヒナゴン』を通じていろいろな経験や友達を得ることができて、本当によかったです」。家族みんなで上映をとても楽しみに待っていらっしゃる様子でした。
大屋小学校での撮影の合間に(中央が姫花さん)
 3月の西城町での上映に、ご家族で駆けつけてくださった伊藤さん。お母さんの智美さんが感想を寄せてくださいました。「セリフとかはなかったけどカチンコチンになってる愛しい我が子がスクリーンにしっかり写ってました!姉の桃香も親と本人にしかわからないくらい一瞬だったけどカットされずに写っていました!エンドロールに我が子の名前を見付けた時は感慨深いものがありましたよ。我が子を見るのに必死でしたが、どの子もみんな輝いていたと思います」。
 その後、中国新聞「広場」欄に姫花さんが投稿されたヒナゴンの思い出の記事が掲載されました。
お姉さんの桃香さんと 桃香さんも下校シーンではエキストラで出演