イッちゃんの仲間、嶋田久作さん演じるナバスケ(南波大助)の子ども時代を演じたのは、岡山県玉野市の小学校5年生、難波洋平くんです。「パソコンが得意」とあって、メールでのインタビューにしっかりと答えてくださいました。その雰囲気を活かすため、できるだけ原文に近いQ&A形式でご紹介します。
Q:この映画のオーディションを受けたきっかけは?
 僕は前からUMA(未確認生物)が好きで、よく本や雑誌を読んでいたので、だいたい6歳頃から「ヒバゴン」のことはよく知っていました。(ちなみに、母方の実家のある福山市でも、ヒバゴン騒ぎの少し後で「ヤマゴン」という類人猿が出たという記録が残されています。)なので、UMAが題名の映画と知り、ぜひ出演したいと思い応募しました。
※「ヒナゴン」の前にもいくつかのミュージカルなどに出演経験があるそうです。
Q:オーディションの様子は? そして感想を聞かせてください
 当日、最初は人が多くて混雑していましたが、だんだん審査が進んでいくにつれて人数が減っていってサバイバルのような風景でした。(その日、会場にヒナコウモリの赤ちゃんを同行させていたので、30分おきに授乳が必要なので気になっていました。)
Q:オーディションに合格して、いかがでしたか?
 合格したときは、超!!!超!!!超!!!うれしかったです。「勝因は、嶋田久作さんに顔が酷似していたことだったのかもしれない」と母が申しておりました。
Q:合格してから撮影が始まるまでどのように過ごしましたか?
 すぐにナバスケ役ということが決定しました。しかし、県外(岡山県)のため、映画のことはだれも知らず、「あれは夢だったのかなぁ」と思ってしまうくらいフツーの日常でした。
Q:撮影が始まりました 印象に残っている出来事は?
 楽しかったことは7月31日の打ち入りの宴会に参加できたことです。大変だったことは、大トチの木の下のゴツゴツした根の上で寝た時です。夜中に帰って見てみると アザになっていました。もう一つは、ドベのウンコパンツをかぶったことです。カレーがしばらくの間、嫌いになりました。
Q:映画撮影の現場はどうでしたか?
 現場の印象は、いつもはふざけたりしていても、本番になると急に真剣になるスタッフさんやキャストの皆さんを見て、「やっぱりプロだな」と感じました。
Q:撮影が終わっての感想は?
 撮影が終わって、何だか長かったような、長くなかったような不思議な気持ちがして、同時に映画が完成するのが楽しみになりました。
Q:「ナバスケ」という役は、演じてみていかがでしたか?
 「ナバスケ」の役は、我ながら自分に合っている役だったと思っています。
オーディション合格後の記者会見
メイク室での洋平くん
Q:昨年11月に映画が完成し、試写をご覧になったわけですが、感想を聞かせてください
 すごく良いストーリーで、現在の西城町の現実がうまく表現されていました。はっきり言って感動しました。
Q:映画に出演しての周囲の反応は?
 家族以外にはだれにもバラさなかったはずなのに、噂っていう物の恐ろしさを知りました。何らかの原因で外に流れ出たのか、いじめっ子に問いつめられました(笑)。(映画が公開された後、ドベのウンコパンツシーンを見たら、今度は「糞助」と呼ばれそうで怖いです)
Q:妹さんの日向子(ひなこ)さんもエキストラ出演されたそうですね
 はい。妹の感想です→「スタッフさんも良い人だったし、友達もたくさん出来て本当によかったと思っています」
Q:最後に、心に残ったことは何ですか?
 やはり、比婆の自然に直接触れられたことです。
 映画の撮影後、洋平くんの住む岡山県玉野市は相次いで大きな台風に襲われ、大変な被害に遭われたそうです。それについても書いてくれました。
 台風での被害は、大きなもので2度ありました。
 1度目は8月末。(9月1日の打ち上げのお誘いがとても遠くの出来事のように感じました。)台風と高潮とで海の水が流れ込んできました。家具がすべて水に浮き、水が引いた後、そこら中に散らばって、歩くことも困難でした。電化製品は全滅、車も全滅しました。ライフラインも止まり、炊き出しをしていただきました。自衛隊の皆さんに大変お世話になりました。玉野市のあらゆる機能が麻痺し、新学期も遅れました。
 2度目は10月20日。(アフレコの前日でした。線路が土砂で埋まり、命がけで広島に行きました。)大雨による土砂崩れで死者も出ました。家が崩れた友人も多く、親友が転校して寂しくなりました。僕の家も今度は山崩れの土砂水で浸水しました(また車が死んでしまいました)。
 映画の撮影中も相次ぐ台風の襲来で撮影日程がめまぐるしく変わり、苦労されましたが、難波くんのお話を聞いてみると、また改めて自然の脅威を痛感します。被害に遭われた皆様に心からお見舞い申し上げます。
 最後に、2月23日に、11歳の誕生日を迎えた洋平くんからメッセージです。
 良い10歳が過ごせました。もっと充実した11歳を過ごし、日々勉学に励みたいと思います(笑)