イッちゃんの仲間であり、鶴見辰吾さん演じる橋本勝(カツ)の子ども時代を演じたのが広島市の石田裕己(いしだ ゆうき)くん。日焼けした笑顔が印象的な男の子です。お父さんの靖さんは、「ヒナゴン大応援団」に入ってくださり、撮影中もその様子をメールで伝えてくださっていました。今回はメールでインタビューをさせていただきました。
 応募のきっかけは、RCCラジオの熱心なリスナーであるお父さんの靖さん。6月に「今日もゴゴイチ」という番組でオーディションのことを知ったそうです。
「私の田舎が三次市布野町なので、なんとなく西城町に親近感がわいてきました」。この話を裕己くんにすると「出てみたい」とのことなので、締め切りぎりぎりに書類を書いて応募したそうです。
 書類審査で合格、そして7月3日・4日のオーディション。次々と関門を突破するにつれて、だんだん元気が増していく裕己くん。靖さんは「お前のどこにそんなパワーがあったのか」と頼もしく思ったそう。3次審査が終わり、あと1回・・・。「良くここまでがんばった。結果がどうであれ、何事にも挑戦する強い気持ちを持てる子どもになってくれたら充分。会場から出てきたらしっかりと抱きしめてやろう」と決めていたそうです。
 ところが、待ってもなかなか出てきません。しばらくすると今まで見たこともない笑顔で駆け寄ってきた裕己くん。「父さん、やったよ!」・・・思わず玄関で抱きしめ合って二人で大泣きをしたそうです。
 そして8月。天候不順でなかなか撮影に入れませんでしたが、3日、初めての撮影は森の中で夜11時まで。そして翌日は朝6時からの撮影の予定が雨で中止に・・・。「スモークを焚いての撮影だった」、「何度もリハーサルして本番を撮った」と帰りの車の中では興奮冷めやらぬ様子の裕己くん。でもいつのまにか静かになって気がつくと夢の中だったとか。さすがにハードだったようです。「撮影はかなりきつかったけどとっても楽しかった。難しかったこともあったけどがんばりました」と満足そうに振り返ってくれました。
メイク室での裕己くん
現場に向かうバスの中で(隣りはナバスケを演じた難波洋平くん)
 8月15日の夏祭りと16日の町長討論会の撮影では、靖さんもエキストラで参加。「台本では1〜2ページなのに、実際の撮影にはすごく時間がかかります。同じシーンを何度も何度も角度を変えての撮影・・・。これを毎日やっている皆さんはとても大変だなと思いました。スタッフの皆さん一人ひとりが真剣に心を一つに取り組まれている姿に『プロの仕事なんだな』とつくづく感じました」。
 そして、「人生の中で一つの映画に親子で出演するという経験ができたことはまさに奇跡だと感謝しています。舞台裏ではこんなに多くの人の協力があって構成されているんですね。今回の『ヒナゴン』は西城町のみんなで作りあげた映画です。全国の皆さんに早く映画館で見てもらいたいですね。皆さんお疲れさまでした」と締めくくってくださいました。
大戸小学校での撮影風景
 石田さん親子は、11月の初号試写でいち早く映画「ヒナゴン」をご覧になりました。「良かったです。本当に早く皆さんに見て頂きたいですね。子どものおかげで、私も出演出来て、とても感動しています。そして、西城町が、とても綺麗に撮し出されていました。討論会のシーンでは、夏の出来事が、走馬燈のように思いだしました。」と感想を寄せてくださいました。
 撮影から1年、再び夏がやってきました。裕己くんは、学校のプールで真っ黒に日焼けしているそうです。